困難だったプラスチックの箔押しに成功
箔押しは金箔やアルミなどのシートに熱を加えて素材に圧力をかけて熱蒸着させ、独特のツヤと光沢を持つ美しい模様を転写する伝統的な技術です。かつては陶器や磁器、木材などに使用され、宝飾品や美術品が作られてきました。それらの技術は時代と共に進化し、様々な工業製品の加工に応用されてきました。しかし、そんな中でも多くのメーカーが困難に直面してきたのが、プラスチックへの使用です。それまではメッキ塗装などが採用された事例がありましたが、ムラができたりすぐに剥がれてしまうなどの問題がありました。何度も箔押しのチャレンジが行われてきましたが、熱蒸着をさせる際に溶けたり柔らかくなってしまい元の形状を保てなくなったり、破損してしまう事もありました。そんな中でカタニ産業株式会社では、独自の技術と専用機器の開発により、プラスチックであっても健全性を保ちながら箔押しをすることに成功しました。同社が開発した極薄の金箔やアルミのシートを使用し、熱伝導率を高めることで僅かな熱でも熱蒸着させることが可能となり、まるでスタンプを押すかのようにほんの一瞬の加熱と加圧でしっかりと熱蒸着をさせることができます。これによりプラスチックでありながらも金属のシートが持つ質感やフォルムを与えることができ、活用シーンが広がりました。これまでオーディオ製品や自動車のパーツなどに採用事例があり、その美しさと堅牢性が高く評価されています。カタニ産業株式会社の挑戦が、これらの業界に革新をもたらしました。